冷蔵庫の奥

「冷蔵庫の奥を覗いてはならぬ」という、古来からの言い伝えがある。（ねーよ）

そんなわけで、我が家の冷蔵庫の奥は魔境になっていて（魔境？）、実働しているのは手前の1/3ぐらいである。（はい？）
実に不便極まりないので、ここに至って小栗虫太郎的（？）な冷蔵庫の奥にメスを入れる、日本語で言えば大鉈を振るうことにした。（どっちも日本語なんだが）

魔境エリアにある食べ物はパッケージ化されたもの、あるいは最低ラップにくるんであるようなものばかりであるかと思っていたのだが、なぜか小皿にのってラップもかけていないようなものがたくさん並んでいる。いつのものかはわからないが、あまり傷んでいないようにも思える。くんくんと匂いをかぐ。いけるかな？（いけないよ！）うーむ、捨てるのは惜しい。（捨てろよっ！）
質実な家庭に育った私としては、食べ物を捨てるのはとても辛い。泣く泣くポリ袋にお皿の上のものをあけていく。
おかげで、冷蔵庫はほぼ空になった（実働の手前1/3はどうしたんだよ？）。奥まで見通せる冷蔵庫、なんて素晴らしい！

目が覚める。
今日は生ゴミの日で、リアルで冷蔵庫の整理をするつもりであった。また同じこと（食べ物を捨てる）をしなければならないとなると鬱である。
振るとからから音がする納豆とか（笑）、仏前に供えて忘れて放置していたら変色した刺し身をとりあえず冷蔵庫に戻したものとか（はい？）、次々とポリ袋に飲み込まれていく。

ぶたさんマークのレジ袋（ロピアか？ｗ）が常時一定数捨てられている収拾場に、我が家のポリ袋もぽいっと捨てる。
さようなら、食べ物さん。
こめんね、食べ物さん。
またね、ぶたさん。（は？）