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博士、ウイルスに感染す [博士と助手シリーズ]

「博士、ついにうちの大学も閉鎖になりました」
「何やら若い学生共が密空間で集団で飲食をして、学内感染が発生したとのことじゃな?」
「近所の女子短大と合コンしたらしいですよ」
「それはまた実にけしからん。この緊急事態に何が若い女子と合コンじゃ。実にけしからん!密空間でなんたらゲームとか言って女子と濃厚接触したんだろ?学問の徒が何たる様じゃ。若い女子とべたべたあんなことやこんなことで濃厚接触だぞ。実にけしからん!そんなけしからんお食事会、私も参加したいっ!
「博士、本音がダダ漏れしています」
「で、君は今、何をやっているのかね?」
「机を移動しています。博士も手伝って下さい」
「なぜ移動する?」
「新しい生活様式です」
「はい?」
「今まで博士と私の机は向かい合わせでしたが、これからは背中合わせにします。これで博士の顔を見なくてすむっ!」
「君、本音がダダ漏れじゃぞ」
「てへっ♡」
「てへじゃない。だがなぜそんなことをする。我々はクールズ船で免疫ができているはずじゃ」
「博士、クルーズ船です。高楼省の調べによると、、、」
「功労省ではなかったか?名前を変えたのか?」
「そんなことはどうでもいいです。高楼省によれば、博士の超マーベラスで驚異的な免疫力により」
「変な形容詞はつけないでよい」
「ウイルスが博士の体内でぱきぱき突然変異しまくっている可能性があるとのことです」
「なるほど。ちょっと出かけてくる」
「わー、だめっ!博士の変態ウイルスが新たに市中に蔓延したら大変なことになります!」
「うははははははは!我が肉体によるウイルスの変異力を世間に見せつけてやるのじゃっ!」
「博士、人格が変わっています」
「ってか変態とかゆーな」
「一瞬取り消そうかと思いましたが、今ので確信しました。ものすごい変態です!」
「私は動物のパンツなんかはいてないぞ」
「そんなわけで、学生もいない。講義は全部中止。研究も基本、テレワークでいいですよね」
「私はパソコンを持っていないっ!」
「はい?どんだけ情弱だよっ!」
「僕ちゃんはあんな文明の利器には頼らないんだもん。もん」
「そういえば、SNSで10万円のマスクを注文してたじゃないですか」
「あれはスマホじゃ」
「スマホは持ってるのかよ。じゃあスマホでテレワークしろ!」
「うーむ」
「あ。真面目に考えている?」
「うむ。何とかなるじゃろう」
「本気かよ?学内のを借りるとか何とかしてください」

助手の自宅。
じゃーん、じゃーん、じゃーん、じゃららん、じゃららん♪(ダースベーダーのテーマ)
「あ、博士からだ」
「も、もしもし?じょ、じょ、じょ、助手様、いや助手殿、いや助手くんかね?」
「何を緊張している?」
「テレビ電話など初めてじゃ。子供の頃からの夢だったんじゃぞ」
「はい?」
「自動車も本当は空を飛ぶはずだったのじゃ」
「そんなことをしたら大混乱になります。それよりも博士」
「何じゃ」
「パソコンは慣れましたか?」
「ああ、もう、私の手足のようなものじゃ、
「ほー、ほー、ほー」
「一体化したと言ってもよかろう」
「ほんとかよ?ところで博士、何の用です」
「そうじゃ。君にデータを送ってもらうはずだったんじゃが」
「それならば、さっきメールで送りましたよ」
「はい?」
「はい?」
「めーるってなんじゃ?」
「はい?」
「はい?」
「スマホでメールしたことないのかよっ」
「私は斯様な複雑なアプリは好まん」
「どこが複雑だよ。まあいい。じゃあとりあえずメールソフトを起動してください」
「どれだ?」
「一体化したんじゃないのかよ!」
「知らぬものは知らぬ」
「博士のパソコンのOSは何です?」
「おーえす?綱引きか?」
「Operating Systemです。しょうがないな。パソコン本体に窓かリンゴの絵が書いてありませんか?」
「あるぞ、齧りかけの林檎の絵が」
「マックか」
「齧って逃げた奴は誰じゃ」
「アニソンネタはいい」
「筒美京平だぞ」
「マックなら簡単です。「メール」と書いてある鳥の飛んでいる切手のアイコンをダブルクリックしてください」
「無いぞ。どこだ?」
「あー、もう、面倒くさいなー」
(途中省略)
「なんでメールの設定に5時間もかかる」
「POPって何だ?えすえむてぃーぴーって何だ?」
「はいはい、改めてメールを開いて下さい」
「。。。ん?何だか知らない人からいっぱいお便りが来ているぞ」
「メールとはそういうものです」
「どれどれ。お?この黒い箱は何だ?」
「ん?。。。わー、博士、それ開いちゃだめっ!」
「あれ?あれれ?」
「どうしました?」
「画面が黒くなったぞ」
「あー。それウイルスが感染しました」
「超マーベラスな免疫力を持っている私だぞ」
「博士ではありません。パソコンです」
「一体化してるのに」
「いや、してないし」
「困ったな?(ガチャガチャ)」
「なぜ音声だけ通じている」
「仕方がない。よいしょっと」
パソコンのモニターから博士の頭が出てくる。
「わー!わー!わー!」
「あれ?出られないぞ。君のパソコンは小さいな」
「博士が太り過ぎです。ってかあんた、化け物かよっ!」
「私の先祖に貞子という女性がいてだな」
「なるほど。ウイルスネタ落ちか」

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